王様の耳は驢馬の耳

週一の更新で受け売りを書き散らしております。

「文明と戦争」を読んで その二

 進化論的観点から戦闘という危険の伴う行為から、どのような報酬が得られるのか。フロイトは人間の基本的な衝動はすべて性的欲求に基づくとし、アルフレッド・アドラーは主に他者に優越しようとする欲求であるとした。しかし実際のすべての現場から得られた発見では、狩猟採集民を含む原始的な共同体において戦闘が起こる理由と類型はきわめて酷似しているという。

文明と戦争 (上)

文明と戦争 (上)

 
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「文明と戦争」を読んで その一

戦争とは何なのかという素朴な疑問に対して、当ブログは何度も触れてきた。その疑問に正しく答えることはこの世にある難題の一つであろうが、このアザー・ガットの「文明と戦争」はその難題の助けとなるはずだ。

文明と戦争 (上)

文明と戦争 (上)

 
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「日本人が知らない最先端の「世界史」」を読んで その二

大衆と知識人はどちらが危険だろうか。通説では大衆は扇情的でプロパガンダに流されやすく、逆に知識人は冷静沈着で容易には流されないという印象がある。が、著者はそれがまったくの誤解で、むしろ「学のある」エリートほど「風」に弱く、プロパガンダに流されやすいという。

日本人が知らない最先端の「世界史」

日本人が知らない最先端の「世界史」

 
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「日本人が知らない最先端の「世界史」」を読んで その一

日本の近現代史をめぐる議論が、あまりにも日本中心であること。

というのが著者の福井義高氏の執筆動機である。著者は明治以降、日露戦争を乗り越えはしたものの欧米のような大国にはほど遠い「二流の地域大国に過ぎな」なかった。しかし戦後の主流の歴史観は、日本が世界を振り回したかのように語られる。そんな「歴史認識鎖国状態を打破すべく」書いたのだという。

日本人が知らない最先端の「世界史」

日本人が知らない最先端の「世界史」

 

 

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