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王様の耳は驢馬の耳

受け売りを書いているだけです。気になさらないで下さい。

戦争は無くならない

 

戦争は無くならない (1984年)

戦争は無くならない (1984年)

 

備忘録を兼ねて注目した要点を箇条書きにした。

 

  • 人間は畜生ではない。故に正邪善悪を気にかけずにはいられない。
  • 正義は生命を賭しても悪と戦わねばならない。特に西欧に於いては正義は絶対。損得勘定を超える。
  • 古今東西、正義のない戦争、悪の戦争は存在しなかった。正義は相対的であるため。
  • 力は明確。正義は相対的ゆえに不明確だが人間は絶対視したがる。
  • 正義を篤く信じれば、それだけ残酷になる。己の正義が蹂躙される時、人間は道徳の支配の埒外に出る。
  • 今なお国際社会の不文律は、力が正義。没道義を正当化する。
  • 道徳の特質は、不道徳という己の敵を持たずしては存在し得ない。善には悪が必要である。
  • 生存を至高の価値とすれば正義を気にかけては生き延びられない。

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反戦平和主義、それに付随する非武装中立、非暴力、無抵抗主義などに見られる特質として、生命を最高価値とすることが挙げられる。

生き永らえるには戦いを忌避せねばならない。己の正義など持ってはならない。取るべき正しい態度は、権力者に対しては揉み手で擦り寄り、侵略者に対しては足に縋って命乞いをするのが正しい。

権力者、侵略者に対して「譲歩してはならない」「許されない」など断じて言ってはならない。善悪など問わず他者の言動もすべて許し、虐待をも甘受せねばならない。故にこう言わねばならない。


「どうかお情けを。私はどうしても長生きしたいのです。私の子も奴隷にしてくださってもよい。生き延びさえしてくれれば」*1

しかしそうはしない。戦争は己の正義に反する悪であるがゆえに断固戦う。正義を篤く信じるが故に必死に抵抗し、時には法を犯してまで、或いは力に訴えてでも信念を貫く。かくて平和の論理は破綻する。

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上記は松原氏の反戦平和主義に対する論駁の要旨である。恐ろしいほど鋭い指摘である。何れにせよ彼らは破綻に気付かないか、気付かない振りをしているのである。詰まるところ彼らをしてからが知らず識らずに戦争は無くならないのだと認めているのだ。

*1:歴史を繙けば植民地の国民は白人の権益の盾として戦争の最前線に送り出される。奴隷が全滅した後で漸く宗主国の本隊が戦う。「人を殺し、殺されるくらいなら奴隷になっても可い」と言う人たちは自分の主張する反戦も平和も守れないのである。