「インテリジェンス入門」を読んで その弐
「インテリジェンス入門」を読んで その壱
ご承知だとは思うが、今回扱うインテリジェンスとは知能や知識のことを指すのではなく、諜報活動のことをいう。筆者はあまり技術的なことには関心が薄いのだが、たまたま手にとる機会があったのでここで紹介したい。
著者である柏原氏は本の冒頭で「情報機関を最初から考えてみたいという人のための導入として執筆」され、扱う時代は現代でなく「近代的な意味での情報機関もしくは情報活動が確立される一八七〇年代前後から一九一〇年前後」までに焦点を絞っている。ではざっと見ていきたい。