王様の耳は驢馬の耳

週一の更新で受け売りを書き散らしております。

2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「平気でうそをつく人たち」を読んで その三

これまではペック氏が邪悪と呼んでいる個人に関する内容だったが、邪悪ではない大多数の個人、つまり集団の犯す悪についても触れておく。ペック氏は1968年ベトナム戦争でアメリカ軍バーカー任務部隊の一小隊によって行われたソンミ村虐殺事件を取り上げ…

「平気でうそをつく人たち」を読んで その二

邪悪性は家族内に広まる傾向がある 邪悪性が先天性のものか後天性のものであるかは、まだよくわかっていない。とはいえ、悪性のナルシシズムの根源に関わる理論で優勢を占めているのが「防衛現象」である。幼い子供の多くが様々なナルシシズム的特性を示すも…

「平気でうそをつく人たち」を読んで その一

この本は危険な本である。 今回から取り上げる「平気でうそをつく人たち(原題People of the Lie)」著者であるM・スコット・ペック氏はアメリカの著名な心理学者であり、本の冒頭から警告を発する。彼は本書が潜在的に有害なものになることを恐れたからだ。著…

「水戸學要義」を読んで その二

「水戸學要義」に関する投稿の二回目である。 水戸学は徳川光圀公の第一期の創業時代に続き、徳川治保公の第二期の中興時代がある、と著者深作安文はいう。このとき彰考館にいた藤田幽谷は古学と陽明学を水戸学に取り入れ、実用の学となる。それは息子である…