王様の耳は驢馬の耳

週一の更新で受け売りを書き散らしております。

2016-01-01から1年間の記事一覧

国民である前に人間か

人は第一に人間でなければならない。人間としての基本が成って、漸く国民であることが出来るのである。 故に日本または日本人ということに固執するのは、真実の人間となる根拠足り得ないというのである。なるほど、人としての踏むべき道を把握し、未熟なる自…

自殺は卑怯か その弐

前回は自殺者は卑怯かどうかを考えてみた。今回も続けて考えてみたい。 さて、よく耳にする自殺者に対しての批難に、弱すぎるという声が在る。だから死ぬのだと言わんばかりである。 [前記事貼付]

自殺は卑怯か その壱

自殺は卑怯かどうか。この場合の卑怯とは勇気がなく臆病な様を指すが、自殺には相当の覚悟が必要であることは、今生きている人間であれば誰もが同意するところであろう。自殺する程の勇気があればと、よく耳にする言葉であるが、知ってか知らずかある程度ま…

宗教は軽蔑すべき迷信か その弐

前回は宗教とは如何なるものであるのかを述べた。今回は宗教権威の失墜が如何に起こったかということから見ていきたい。 bambawest.hatenablog.com

宗教は軽蔑すべき迷信か その壱

冒頭から私事で恐縮だが、筆者はこれまで信仰心を抱いたことがない。何となれば自身、理知こそが真理に到達できると信じていたからである。故に宗教などまさに迷信、盲信の極みであると高をくくっていたのである。今でこそ多少の理解は有るものの、信仰を得…

古事記を味読すれば ㋺

さて、早速話を続けたい。 bambawest.hatenablog.com

学問と読書 その弐

前回の続いて今回も読書と学問に就いてである。読書が著作をある種の崇拝になると、有害無益に陥る弊に就いて述べた。 bambawest.hatenablog.com ではどうすれば可いのか。

読書と学問 その壱

筆者は毎年50冊程度本を読む。読書家を自認する諸氏からすれば、嗤われる冊数だろう。遊興に耽りたい気持ちに鞭し、寸暇を惜しんで読書に努めては居るつもりであるが、果たしてこれで道を得られるのかどうか、甚だ心許ない。 周囲からの視線も、必ずしも温…

古事記を味読すれば ㋑

速読の効用が高調される昨今であるが、その中ですっかり等閑に付されて久しいのは味読であろう。読んで字の如く味わって読むの大切さを、古事記の一節から再確認してみたい。

戦争は無くすべきではない

過激な表題で煽っているようだが、そんな気は全くないのだ。筆者自身、戦争は無い方が好いという気持ちは人並みにある。しかし人間本性として戦いを否定し去って、果たしてそれが正しいのか否か。ここで考えて見る価値はある。

「痩我慢の説」を読んで

福沢諭吉 瘠我慢の説 瘠我慢の説 殺人散財は一時の禍にして、士風の維持は万世の要なり。

「正統とは何か」を考える

ギルバート・ケイス・チェスタトンの「正統とは何か」を以前に首を傾げながら読んだ。以下は有名な一節であるが、やはりどうしても引っ掛かるのである。

多様性について

ncase.me これは或るサイトで紹介されていた、多角形(多種族)社会のシミュレーションである。前提も過程も、その結果も疑問の残る実験であるが、色々と考えさせられる。

神道の略歴

山田孝雄に出会えたのは幸運であった。神道の歴史を簡潔に解説されていて、このまま筆者の中で寝かしておいても勿体ない。備忘録も兼ねてここで簡単に書き留めて置きたい。

戦争は無くならない

戦争は無くならない (1984年) 作者: 松原正 出版社/メーカー: 地球社 発売日: 1984/01 メディア: 単行本 クリック: 16回 この商品を含むブログ (4件) を見る 備忘録を兼ねて注目した要点を箇条書きにした。

戦争はないに越したことはないなんて、絶対に言ってはいけない

下は松原正氏出演ラジオ番組より文字起こししたものである。 「一朝有事の際の、敵兵を殺すために、つまり戦争のために自衛隊は存在しているのだ。それなのに制服が「戦争はないに越したことはない」と言う。

「考えるヒント」を読んで

小林秀雄の「考えるヒント」からの抜粋。 文学はさっぱりわからん。政治に関して殊に印象に残ったところだけでも、残しておきたい。

今更だが、田村玲子の最期について

ふと思った。どうして田村玲子は逃げも戦いもせず、死を選んだのか。 以下は筆者の考察である。

「勞」働と対価について

繁忙期もようやく終わり、その間「労働」についてつらつら惟んみた事など書いてみたい。労働の定義は頭や体を(或いは心も)使って働くことだが、その主なる目的は生活の糧を得ることであることは概ね同意を得られるところであろう。 ここで思うのは、労働の真…

神道は宗教か

某市議会議員から教えて頂いた記事を紹介します。 先日キリスト教徒の方へ常々疑問に思っていたことを質問をしました。それは、もしご皇室に対して崇敬の念を抱いているのなら、どうやって御皇室とキリスト教を自分の中に矛盾なく共存させておられるか、とい…

イスラム教の基礎知識的な随筆 その五 イスラム教法学

今回はイスラム法学を取り上げたいと思います。 「我民に於ける見解の相違は、神の慈悲なり」 上はムハンマドの言葉です。イスラム教徒はこれを信じ互いに他の法学派を是認しています。煩を恐れてここでは取り上げませんが、現在スンニ派は四つの学派に、シ…

イスラム教の基礎知識的な随筆 その四 イスラム教の弘布

イスラム教徒の数は2050年にはキリスト教を抜いて世界最大の宗教となると予想されています。 なぜキリスト教を差し置いてそこまで信者数を増やせるのでしょうか。

イスラム教の基礎知識的な随筆 その三 スンニ派とシーア派

今回はよく聞くスンニ派とシーア派についてです。 両派どこがどう違うのかはあまり知られていないように思えます。詳細は各自で調べていただくことにして、ここでは簡単な概略に触れてみたいと思います。

イスラム教の基礎知識的な随筆 その二 コーラン

今回はコーラン*1の成立についてです。早速見ていきましょう。 この聖典はイスラム最後の牙城です。一字一句全てが神の言葉です。ですのでコーランを床に置いたり、穢れた手で触れることは許されません。翻訳もやむを得ない場合にのみでしかされません。しか…

イスラム教の基礎知識的な随筆 その一 ムハンマドの出現

ムハンマド・イブン・アブドゥル・ワッハーブ*1は言わずと知れたイスラム教の開祖であります。 ムハンマドの出自などは各々Wikiでも参照していただくとして、今回はイスラム教に関して知り得た事を備忘録を兼ねて随筆したいと思います。 *1:マホメット、モハ…

正義と力

トゥキディデス*1の「戦史」より、有名なメロス島*2の対話。 国際交際の不文律は弱肉強食、独善主義である。それをトゥキディデスは見事に描いている。古今東西、純粋に他国のために自国を犠牲にした国家を、私は寡聞にして知らない。 *1:古代アテナイの歴史…