戦争の話題続きで恐縮だが、筆者は石津朋之氏の著作を何冊か読み、その中で取り上げられたいくつかの気になった著書を読んでいるためである。以前の記事にも書いたが、世間の戦争に対する悲惨だという否定的側面以外の肯定的側面があるのではないかと筆者は考えていた。これに対して誰もが拒否感と嫌悪感を露わにし、一度も賛同を得たことがない。しかし筆者の考えに自信を与えてくれたのが石津氏であった。
今回から取り上げるロジェ・カイヨワ著の『戦争論 われわれの内にひそむ女神ベローナ』は石津氏の著書の中でも扱われたものだ。戦争とは如何なるものであるかを歴史的に解説した良書であろう。
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