王様の耳は驢馬の耳

週一の更新で受け売りを書き散らしております。

意識の超問題に悩む その壱

自分とは一体何なのか。そんな疑問は中学生までに卒業しておくものであろう。そんな疑問を抱えたまま大人になってまだ引き摺っているとすれば、余程の閑人か空想人ぐらいであろう。現代人は忙しいのだ。生活とは直接交渉のないことにいちいち拘ってなどいられないはずである。それでも筆者がこの問題に引っかかって未だに抜け出せないのはどうしたことか。

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現代日本と町人根性 その弐

前回の記事で和辻哲郎氏の『続日本精神史研究』の中で論じられた「町人根性」に対しての鋭い批判を見てきた。現在の日本にも通じるものがあるので、今回もその続きとしたい。

 

  

bambawest.hatenablog.com

 

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現代日本と町人根性 その壱

三回に渡って山本七平氏の『日本資本主義の精神』を取上げ、鈴木正三と梅田梅岩の二人を通して江戸時代の資本主義の精神を見てきた。今回はこれに痛烈なる批判を加えた和辻哲郎氏の『続日本精神史研究』を紹介したい。

 

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神話の嘘と本当

筆者は「安全神話」という言葉自体に多分に違和感を感じる。この四字熟語をネット検索にかけてみれば、以下である。

 確実な証拠や裏付けがないにも関わらず、絶対に安全だと信じられている事柄。或いは、絶対安全だという信頼感。言外に根拠のない思い込み、錯覚にすぎないという含みがある。

 この熟語の意味の前提には神話が無根拠で裏付けのない、思い込みや錯覚に過ぎないという意味が包含されている。つまり神話は論理的に破綻したもので、否定すべきものとして扱われている。ここに妥当性はあるのかと言えば、筆者はないと応じる。

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日本資本主義の精神を読んで その参

前回は梅田梅岩の思想の基礎となった、鈴木正三を見てきた。今回は江戸時代の中流サラリーマン、石田梅岩に焦点をあて、山本七平氏の著書を通してその精神構造の基本を本著を通して見ていきたい。

bambawest.hatenablog.com

 

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