王様の耳は驢馬の耳

週一の更新で受け売りを書き散らしております。

「日本の歴史をよみなおす」を読んで その壱

著者、網野善彦氏の『日本の歴史をよみなおす』は、日本の歴史的風習を知る上でたいへん示唆に富む史料であると言える。今回はその内容の全てを取り上げることは煩に耐えないので、少々不丁寧であるが気になった箇所を箇条書きにまとめてみたい。

日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫)

日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫)

 

 

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意識の超問題に悩む その弐

前回の続きである。長い間自分の存在の意味に悩まされてきたことは書いた。いつものように本を読んでいると、こんな記事を見つけた。昭和五十年代に茨城県の沼地で、前大戦中に墜落した小型戦闘機の残骸が発見されたという。

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bambawest.hatenablog.com

 

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意識の超問題に悩む その壱

自分とは一体何なのか。そんな疑問は中学生までに卒業しておくものであろう。そんな疑問を抱えたまま大人になってまだ引き摺っているとすれば、余程の閑人か空想人ぐらいであろう。現代人は忙しいのだ。生活とは直接交渉のないことにいちいち拘ってなどいられないはずである。それでも筆者がこの問題に引っかかって未だに抜け出せないのはどうしたことか。

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現代日本と町人根性 その弐

前回の記事で和辻哲郎氏の『続日本精神史研究』の中で論じられた「町人根性」に対しての鋭い批判を見てきた。現在の日本にも通じるものがあるので、今回もその続きとしたい。

 

  

bambawest.hatenablog.com

 

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現代日本と町人根性 その壱

三回に渡って山本七平氏の『日本資本主義の精神』を取上げ、鈴木正三と梅田梅岩の二人を通して江戸時代の資本主義の精神を見てきた。今回はこれに痛烈なる批判を加えた和辻哲郎氏の『続日本精神史研究』を紹介したい。

 

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